箕作麟祥『萬國新史』翻刻完成のご案内

世界史研究所が数年をかけて取り組んでまいりました箕作麟祥編『萬國新史』(1871~1877年)の翻刻が完成し、出版されることとなりました。皆様には、ぜひご一読いただきたくお知らせいたします。また、お知り合いの方々にもご紹介いただければ幸甚でございます。

詳細はこちらをご覧ください。

事務局だより(2018年6月24日)

前回6月の講演会では、ドイツ表現主義やウィーン分離派の流れを汲むクロアチア出身の彫刻家メシュトロヴィチと、その芸術思潮ならびに表現に影響を受けたと目される日本の三人の彫刻家の作品を比較検討していただきました。また、戦争と芸術という視座から、芸術が持つ社会性の一筋縄にはいかない問題を提起されました。
次回7月の講演会では、水を利用した多面的な技術開発を進めると同時に、福島原発の事故処理でも活躍されている水技術のエキスパートをお招きしてお話しをうかがいます。
どうぞ奮ってご参加ください。

8月は事務局が夏休みのため、講演会もお休みいたします。9月は第2土曜日に旧満州の過去と現在について、実際の旅の記録をもとにお話しいただきます。
詳細は追ってお知らせいたします。


夏を呼ぶ雨の季節がまだ続いています。雨に煙る水面の向こうから来る夏の海の色が、深く皆さまの記憶にとどまるようなものになりますように。

―砂浜に棒ひとつ立て梅雨明けぬ(平井照敏)

第153回講演会のお知らせ

水に関わる技術と福島への取組について

日付: 2018年7月14日(土)
時間: 16:00 – 17:30
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師:
酒井 英明(さかい ひであき)氏

1981年 早稲田大学理工学部機械学科卒業、同年 スギノマシンに入社。以降、原子炉内部遠隔点検装置、補修装置、原子燃料取扱設備の開発、 並びにウォータージェット噴流の研究に従事し、近年は、特殊環境用遠隔ロボット、ウォージェット切断装置、湿式微粒化装置の研究・開発に従事。

概要:
柔らかいイメージの水が高圧になると切断や洗浄や耐圧試験、並びに食品加工に利用されている状況を皆さんに知っていただくと伴に、当社の技術が福島でどのように活用されているのかをご説明させていただきたいと考えています。

 

事務局だより(2018年5月28日)

前回5月の講演会では、三河・遠江・南信の県境を越えた地域連携の歩みと現在について、同連携会議の新ビジョン策定委員を務める講演者からお話を伺いました。行政の枠を超えることの意義と可能性、またその困難をも率直に語っていただきました。終始、地域に注がれる講演者の温かい眼差しが感じられて、住んだことのない土地に郷愁を誘われるような思いでした。
次回6月の講演会では、旧ユーゴスラヴィアを代表する彫刻家メシュトロヴィチと日本の彫刻家団体「構造社」の芸術思想に見られる共通の志向性に焦点を当てつつ、両国の芸術と社会を社会史の視座からお話いただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

7月の講演会は、14日(第2土曜日)になります。富山県に拠点を置く「スギノマシン」から水関連技術の専門家をお招きし、福島原発の水処理を含め、水にまつわるテーマでお話しいただく予定です。
詳細は追ってお知らせいたします。
8月は夏休みのため、講演会はお休みいたします。


日に日に蒸し暑さが増してきました。雨雲が山の果て、ビルの彼方まで遠く覆う季節が目前に迫っています。水に濡れた草花や街路、雨音をはじかせる家々のたたずまいも、ときに親しみたい風物です。

―都電に乗る梅雨の巷のしたしさに(中村草田男)

第152回講演会のお知らせ

「無名戦士の墓」から「八紘一宇の塔」へ~クロアティア―日本:社会のための芸術を夢みた彫刻家たち

日付: 2018年6月9日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師:
越村 勲(こしむら いさお)氏
東京造形大学教授。研究テーマは、クロアティアなど東欧の社会・文化史。
著書・訳書:R・オーキー『東欧近代史』(勁草書房、1987年)、『東南欧農民運動史の研究』(多賀出版、90年)、Ph・E・モズリー『バルカンの大家族ザドルガ』(彩流社、94年)、D・ロクサンディチ『クロアティア=セルビア社会史断章』(彩流社、99年)、S・ノヴァコヴィチ『セロ――中世セルビアの村と家』(刀水書房、2003年)、『映画「アンダーグラウンド」を観ましたか』(彩流社04年)、新世界地理第10巻『ヨーロッパⅣ――東ヨーロッパ・ロシア』(朝倉書店06年)、『クロアティアのアニメーション』(彩流社、10年)、K・カーザー『ハプスブルク軍政国境の社会史』(学術出版会、13年)、『16・17世紀の海商・海賊-アドリア海のウスコクと東シナ海の倭寇』(彩流社、16年)。

概要:
・今回の講演の内容と趣旨:越村の近著『ウスコクと倭寇』は、16世紀に世界が結びつく中で、アドリア海と東シナ海で海賊と呼ばれた人々に光を当てる予定である。今回の講演はその近著の補論にあたり、20世紀のクロアティアと日本の芸術家が社会のための芸術という「夢」を分かち合ったことを確認し、それぞれがいかに異なった結末を迎えるか、そのターニングポイントはどこかを考えるものである。
 彫刻史や美術史ではなく、芸術思想の交流史であり、彫刻/美術と日本の社会との関係を後追う社会史である。

・三つの時期:(1)20世紀初めのウィーン分離派運動は社会に開かれた芸術を模索した。具体的に彫刻と建築を合わせて人々に見せることがそのテーマとされた。そしてこのテーマで作品を制作した代表的人物がイヴァン・メシュトロヴィチであり、その代表作が「セルビアの無名戦士の墓」である。かれとドイツ表現主義の芸術・建築は第一次世界大戦までに日本での紹介が始まった。
 (2)メシュトロヴィチとドイツ表現主義の影響は、第一次大戦直後の分離派建築会の創設、平和記念博によって増大し、1926年には彫刻家団体構造社が創設された。構造社は彫刻と建築の総合をうたった作品を共同で制作し展示した。
 (3)しかし日中戦争が始まって以降、構造社を脱会していた日名子実三は軍部との関係を強め、ついには1940年「八紘一宇の塔」を制作する。この塔の礎石は中国・南京などから集まられており、芸術作品でありながら政治的含意がきわめて深刻な作品になった。一方斎藤素巌は終戦とともに自己批判の作品を作り、その社会的発言も急速に減っていった。

・彫刻家たち:主な彫刻家は以下の四人だが、今日の日本ではほとんど知られていないメシュトロヴィチについて少し紹介しておく。今回のタイトルにある「無名戦士の墓」はそのメシュトロヴィチの作品。「八紘一宇の塔」は日名子実三の作品。いずれの作品も彫刻というよりも建築物といった方が正確かもしれない。
イヴァン・メシュトロヴィチ1883-1962
旧ユーゴスラビアの彫刻家。クロアチアのブルポーリェ村に生まれる。篤志家の援助を得て、17歳でウィーンに出、アカデミーでヘルマン・ヘルマーや建築家オットー・ワーグナーに学ぶ。とくに後者の影響を受け、分離派(ゼツェッション)運動に参加した。熱烈な愛国者で、彫刻と建築の統合を試みた記念像を多くつくり、「ユーゴのミケランジェロ」とうたわれた。・・・。
小学館 日本大百科全書(インターネット版)より
下掲の人名もご参照ください。
陽咸二(ようかんじ) 1898-1935
齋藤素巌(さいとうそがん) 1889-1974
日名子実三(ひなごじつぞう) 1893-1945

事務局だより(2018年4月25日)

前回4月の講演会では、戦前の沖縄庶民の日常を切り取った貴重な写真をもとに、失われた民俗文化や生活形態について解説いただきました。知られざる生活の形はもとより、図像で見る歴史の、実りあるアプローチ例としても興味深いお話しでした。
次回5月の講演会では、県の中心地域から離れた、三県にまたがる地域が始めた総合的な協力関係の模索についてお話しいただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

6月の講演会は、9日(第2土曜日)になります。日本の美術運動にも影響を及ぼしたクロアチアの彫刻家、メシュトロヴィチをめぐってお話しいただく予定です。
詳細は追ってお知らせいたします。7月講演会は14日(第2曜日)開催の予定です。「水」技術の専門家をお呼びします。


もくもくと湧き上がるような新緑の厚みに、圧倒的な自然力を感じさせられます。自然のささやかな一部としての人の暮らしを自覚する楽しさが、四季のなかでも高まる頃でしょうか。

―緑葉を敷いて楚々たり初鰹(三橋鷹女)

第151回講演会のお知らせ

三遠南信―県境を越えた地域連携の新ビジョン策定にあたって

日付: 2018年5月26日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師:
高柳 俊男(たかやなぎ としお)氏 (法政大学)
1956年、栃木県生まれ。現在、法政大学国際文化学部教授。
専門は朝鮮近現代史、在日朝鮮人史。1977年、朝鮮に関心を持つ人たちと市民グループ「鐘声の会」を結成。

概要:
三遠南信という概念があります。三河(愛知県東部)と遠江(静岡県西部)と南信(長野県南部)が、県境の枠を超えて政治・経済・文化面などで連携しようというものです。3地域の中心都市はそれぞれ豊橋市・浜松市・飯田市ですが、いずれも県庁所在地からは離れており、その条件を逆手に取ったようなユニークな発想です。
報告者は2011年7月、本会でご報告した通り、所属大学における学部プログラムとして、南信で留学生主対象の学生研修を担当しています。その関連で昨年、三遠南信圏域の39自治体が加盟するSENA(三遠南信地域連携ビジョン推進会議)の新10年ビジョン策定委員に任命されました。委員となったのを機に、県境を越えた地域連携である三遠南信について、その可能性と課題について整理してみます。とくに、三遠南信の範囲の問題や、中山間地域の厳しい現状を念頭に置きつつ、「こんなことができたら」という楽しいプランを考えたいと思います。

NPO-IF 特別講演会「田中一生さんが遺してくれたもの」

「田中一生さんが遺してくれたもの」

講師
山崎 佳代子(やまさき かよこ)氏  「田中一生という人」
奥 彩子(おく あやこ)氏  (文学関係)
鐸木 道剛(すずき みちたか)氏  (美術史関係)
山崎 信一(やまざき しんいち)氏  (歴史関係)

司会
柴 宜弘(しば のぶひろ)氏

日時:2018年5月12日(14:00~16:00)
場所:東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビル10階(エレベーターで9階まで上がり、階段でお越しください)
参加費:無料

長年、東欧、バルカン、そしてユーゴスラヴィア研究を引っ張ってこられ、歴史文化交流フォーラム、ならびに世界史研究所の創立メンバーとしてその活動を支えてくださった田中一生さんを失って、すでに11年の歳月が経ちました。本会では、多岐にわたる田中さんの業績を、専門分野の講師の方々に振り返っていただくとともに、ベオグラード在住の山崎洋さんがご持参くださるボスニア・ヘルツェゴヴィナのテレビ局が制作したドキュメンタリー「田中一生の架けた橋(原題 Tanakini mostovi)」(上映時間約40分 英語字幕入り)を上映する予定です。田中さんのお仕事、お人柄を今一度偲ぶ機会になれば幸いと存じます。
どうぞ奮ってご参加ください。

事務局だより(2018年3月22日)

 

前回3月の講演会では、色丹島を中心に北方領土の現況についてご紹介いただくと同時に、行政や学校の現場における北方領土問題への取り組みとその問題点について詳しくお話しいただきました。国境や領土の概念、国際政治上の実践をめぐっても、質疑応答で熱心な議論が交わされました。
次回4月の講演会では、戦前、1935年の沖縄の庶民生活を写した貴重な写真をもとに、その民俗文化に光を当てていただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

5月の講演会は、26日(第4土曜日)になります。県境を越えた地域協力を進める三河(愛知県東部)と遠江(静岡県西部)と南信(長野県南部)、いわゆる三遠南信の取り組みについてお話しいただきます。6月は、日本の美術運動にも影響を及ぼしたクロアチアの彫刻家、メシュトロヴィチをめぐってお話しいただく予定です。
詳細は追ってお知らせいたします。


とりわけて厳しかったこの冬の寒さを忍んできた桜のつぼみが、かえってそれゆえに早くほころびはじめています。それぞれが抱く思いや希望の種子もまた、麗しく花開く春となるように願います。
まもなく3月ですが、講演会のある弥生3日は、副理事長として本NPOの発展に尽力された橋爪啓二さんの命日にあたります。春の到来は、別れの季節でもあることがせつなく想起されます。

―くるしくて はるかのはな は ひらくかな(野田誠)